保育のミスマッチ

厚生労働省の調査によれば、全国の認可保育施設の定員は約274万人で、実際の利用児童数(約255万人)を上回っています。定員の充足率はここ数年、下がる傾向にあります。しかし、一方で全国の待機児童は、2017年度4月時点で約2万6,000人と、3年連続で増えています。
定員に余裕があるのに待機児童が増える背景には、主に二つの要因があります。一つは、子どもの年齢による需給のミスマッチです。待機児童の9割は3歳未満で、特に1~2歳児が多いのですが、この年齢層の定員が大幅に不足しています。もう一つは地理的な偏りです。待機児童の7割は首都圏など大都市に集中しています。地方においては、定員に余裕のある保育施設が多くなっています。行政区や小学校区など、地域ごとの待機児童数や保育需要を把握する必要があります。

(2018年3月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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