保育・幼児教育の子どもへの支援

 保育・幼児教育の第一主義的な目的は、子どもたちの健全な発達を支援することと、そのために親による適切な養育を支援することにあります。12歳の子どもを認可保育所に預けた親たちは、預けなかった親たちと比べて、1年後に子どもをたたかなくなる確率が有意に高くなるとの調査結果があります。親の経済状況などによる影響もありますが、子どもを保育所に預けることで気分転換できたり、保育士の助言により養育行動が改善されたりして、たたく行動が減った可能性も考えられます。不適切な養育を受けると、愛着形成と子どもの心身の発達が疎外されてしまいます。たたく行動が減ることは、子どもの発達にとって大切です。
 保育所に通っていた方が通っていない場合よりも、言語発達が良好であるとの報告もあります。特に高卒未満の母親では保育所を使っていた方が育児の知識と幸福感が良好であり不適切な養育行動が少なく、子どもの攻撃性と多動性が弱い傾向にありました。このように日本での実証研究によれば、12歳で認可保育所に通った方が通わない場合よりも、親の不適切養育リスクが軽減し、子どもの発達が良好になる傾向があります。

(吉村 やすのり)

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