信頼できる情報源

経済・社会が大きく変わる時代だからこそ、人々は確かな情報を求めます。コロナ禍で、質の高いジャーナリズムの重要性は増しています。日本新聞協会が今年5月に実施した新型コロナウイルスとメディア接触・信頼度調査によれば、コロナ禍で信頼できるメディアとして、新聞をあげる回答が全体の69.5%で首位になっています。テレビは66.8%、ラジオは56.7%、SNSは15.4%にとどまっています。
SNSで玉石混交の情報の洪水にさらされる中で、人々は信頼できる情報を新聞に求めています。紙の新聞の発行部数は、デジタル化の進展で減少傾向にあります。しかし、プロの記者や編集者が日夜の取材で発掘、厳選した新聞のコンテンツは、媒体はデジタル空間に移ってもなお価値があります。
SNSはこれまで発信力を持たなかった個人に、世界に瞬時に情報を拡散する力をもたらしました。しかし、SNSが生み出すのは正しい情報だけではありません。偽情報、風説、デマ、中傷などが、SNSを通じて大量に世界に拡散するリスクも無視できなくなってきています。SNSの多くの情報は、新聞と異なり十分な推敲なく発信されることが多くなっています。
ネットには無限の情報があり、現在の我々は常に情報の洪水の中にいます。しかし、その情報は役に立たないフェイクも多く、どの情報を選択すれかが重要になってきています。信頼できる情報をタイムリーに届けるメディアの重要性は増しています。未だ新聞と活字文化が必要だということを示すデータです。

(2020年10月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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