日本銀行の公表によれば、6月末時点で個人が持つ現金・預金は、1年前から1.4%増の1,117兆円で過去最高となっています。コロナ禍からの経済活動の正常化後も現金・預金が増加する状況について、専門家は物価高による個人消費の伸び悩みの可能性を指摘しています。コロナ禍の2020~2022年の各四半期末時点の現金・預金の残高は、2~5%の伸びを記録しており、2023年も増加を続けています。
現金・預金のほか、株式や保険、投資信託なども含めた6月末の金融資産全体は、4.6%増の2,115兆円となり、過去最高を更新しています。好調な企業業績などを背景に、株価指数が約33年ぶりの高値をつけたことを受け、株式等は26.0%増の268兆円、投資信託は15.9%増の100兆円となっています。
民間企業の金融資産残高の合計は、8.0%増の1,416兆円で過去最高を更新しています。保有する株式の価格が上がり、株式等が15.4%増の417兆円でした。日銀の国債保有残高は580兆円でした。全体の53.2%に上り、日銀は金利を抑えるため大量の国債を購入しています。
(2023年9月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)