がんで亡くなる人は、全世界で年間約1千万人に上ります。国際共同チームは、その約4割は喫煙など予防できる要因によるものだったとする研究結果を発表しています。2019年にがんで亡くなった人のうち、予防可能な要因による死亡は、全体の44.4%に当たる445万人で、2010年に比べ20.4%増えています。がんによる健康に生活できる年数の喪失(DALY)の合計のうち、予防可能な要因によるものは、全体の42%に当たる1億500万件で、2010年に比べ16.8%増えています。
がんの予防可能な危険因子のうち、DALYに最も影響が大きかったのは喫煙で、2番目以降に飲酒、肥満が続きます。低開発の国や地域でDALYの増加が目立っており、チームは所得や学歴など社会経済的な格差が生み出す健康格差を縮小する必要性を指摘しています。健康格差の縮小には、たばこの値上げや、現在は例外措置のある屋内禁煙の完全実施、様々なメディアによる禁煙キャンペーンが有効だと考えられています。
(2022年10月10日 岐阜新聞)
(吉村 やすのり)