働き方改革による生産性向上

 日本の総実労働時間は、1990年代から減少の一途を辿っています。背景には非正規労働者の拡大もあります。非正規を含まない一般労働者のみの労働時間の推移を見ると、2010年代後半までほぼ横ばいであることが分かります。働き方改革関連法が施行された時期に注目すると、2018年には年間2,010時間だった労働時間が、2019年には1,978時間まで急減しています。2020年前後には新型コロナウイルス禍の影響もありましたが、以降は法施行前よりも減少しています。

 長いこと横ばいだった有給休暇取得率が2019年以降には急伸しています。また長い間10%未満であった男性の育児休暇取得率も近年は急上昇し、2024年度には40.5%を記録しています。テレワークもコロナ前に比べれば日本人の働き方として定着しつつあると言えます。若い世代ほどリモート勤務を希望し、給料を減らしてでも希望するという人も増えています。

 働き方改革が、長時間労働の是正と柔軟で働きやすい環境の整備に一定の貢献を果たしたと言えます。改革は量から質へ、インプットから生産性重視へ軌道修正するきっかけを作り、より良い働き方へのモメンタムを生み出しています。働き方の理想の姿とは、労働者が自主的に自分のペースをコントロールして働くことです。幸福度の高い人は生産性も高く、フロー体験といわれるように仕事に没頭し、時間を忘れるほど深く集中し、大きな成果を生み出す人もいます。

(2025年12月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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