働く女性の健康支援―Ⅶ

更年期障害に対する職場での支援
欧州更年期学会では、職場における更年期障害への対応として、①職場は、更年期障害に関し、オープンで包括的かつ支持的な環境を作るべきである、②更年期障害を理由に差別、疎外、解雇されてはならない、③医療関係者は、一部の女性にとっては更年期症状が労働能力に悪影響を及ぼす可能性があることを認識すべきであるとしています。
職場でのオープンな文化や、上司が更年期に関し知識を持ち、ともに解決策を探す態度を示すことは、相談を促進するように働きます。相談の機会や時間がないことや、職場での男性優位性、更年期についてのスティグマ、差別、恐怖、恥ずかしさは、相談の障壁となり得ると報告されています。職場における同僚や上司、そして医療関係者が、相談しやすい環境を作った上で、適切な治療を受ける機会を与えることが重要であると言えます。更年期障害に対して適切に治療を行うことで、仕事のパフォーマンスを向上させ、日々健やかに過ごすことができる可能性も高まります。

(よぼう医学 2023 Spring)
(吉村 やすのり)

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