出産年齢は高くなる傾向にあります。2014年の第1子出産年齢は平均30.6歳です。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率を年齢別にみると、2005年には、30代前半が20代後半を上回り、出生数は30代前半が最も多くなっています。不妊治療を経て30代後半以降に出産する女性も増えてきています。キャリアアップと出産・育児の両立のハ-ドルは依然高いものがあります。女性管理職のうち既婚で子どもがいる人は3割程度にとどまります。日本企業では女性がキャリア展望を持ちづらい状況にあります。日本は欧米に比べ昇進年齢が遅いため、管理職選抜のタイミングが第1子出産後になる場合が多くなります。その結果。昇進を希望しない女性が増えてしまいます。
旺盛な体力や妊娠のしやすさは20代のメリットです。加えて、2人目、3人目を産みたいのなら、最初の出産は早いほうがいいと思います。一方で、キャリアとの関係では、出産までに仕事ぶりを周囲に認められ、戻ってほしいという人材になっておくことが大切です。しかし、40歳前後の妊娠・出産はハイリスクになることも多く、また結果的に妊娠できず、子どもを持つことができないこともあります。若くして妊娠・出産しても、女性がキャリアを形成できるような社会づくりを急がねばなりません。
(2015年11月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)