働く女性の自殺者の増加

2021年版の自殺対策白書によれば、職についている女性の2020年の自殺者数は1,698人で、2019年までの5年間の平均と比べて3割近く増加しています。新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食・サービス業など女性が多い非正規労働者の雇用環境が悪化したことが影響したことが関与しています。
2020年の自殺者数は、全国で2万1,081人と、前年比で912人(4.5%)増加しています。増加は11年ぶりで、男性は減少したものの女性が増加しています。無職の女性は微減、男性は職の有無に限らず減少しており、働く女性の自殺増加が顕著でした。
緊急事態宣言中の4月は、前年より300人以上少なかった一方、感染が落ち着いていた10月は700人近く多くなっています。必ずしも、経済活動が抑制される感染拡大期に増加しているわけではありません。動機別では、うつ病など精神疾患を含む健康問題が多くみられます。経済や生活の問題など他の要因が精神疾患に発展するケースも多く、厚生労働省は要因を複合的に見るよう指摘しています。

 

(2021年11月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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