先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症とは-Ⅲ

新生児聴覚スクリーニングとの連携

 先天性CMV 感染による難聴は、赤ちゃんの難聴の原因の第2位であり、生後3週間以内に診断、生後2か月以内に治療を開始するとなると、新生児聴覚スクリーニングとの連携が重要になります。2023年10月にこども家庭庁は、確認検査で要再検のケースについては、生後3週間以内の先天性CMV感染の検査を実施することが推奨されていることに留意し、適切な対応を行うこととの通達を発出しました。さらに、2025年4月からは、母子健康手帳に先天性CMV感染検査の項目が追加されることになりました。

 先天性CMV感染の認知度はまだ低く、感染の見逃しも多いのが現状です。そのため、母子健康手帳に検査結果の記入欄を設けることで、保健師などが母子を訪問した際に、検査の有無や結果を確認しやすくし、必要に応じて医療機関への受診を促すことができるようになります。この取り組みを通じて、先天性CMV感染に関する理解が進み、早期診断・治療につながることで、子どもの聴力を守ることが期待されています。

(月刊母子保健 第793号 令和7年5月1日)
(吉村 やすのり)

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