児童の安否確認の民間委託

児童虐待問題への関心の高まりを受け、虐待を疑う通告は増えています。全国の児童相談所が2018年度に対応した相談件数は15万9,850件で、2008年度の3.7倍に増加しています。一方、2018年度の児童福祉司は3,426人で、2008年度の1.5倍にとどまっています。児童相談所が、虐待かもしれないと受けた通告のうち、虐待の可能性が低いとみられる件の安否確認を、NPO法人に委託する取り組みが広がっています。児童虐待問題への関心が高まって通告数が増え、児童相談所の負担が増したことが背景にあります。
国は児童相談所に対し、通告から48時間以内に安否確認することを求めており、児童相談所の負担は増しています。泣き声が聞こえただけで、たたく音などを伴わないような通告の安否確認は、民間に委託することもできます。児童相談所は、訪問しても子どもに会えない、子どもと親の関係修復が難しいなど、より深刻なケースに力を注ぐ必要があります。
児童相談所全国共通ダイヤル189では、虐待の疑いがあるという通告を、24時間受け付けています。電話すると、自宅近くの児童相談所につながります。子育ての悩みも相談できます。

(2020年1月7日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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