厚生労働省の全国母子世帯等調査によると、母子世帯の約半数が年収200万円未満です。親1人子1人の世帯で年収200万円未満なら、年収の3割以上を児童扶養手当や児童手当が支えています。ひとり親世帯が対象の児童扶養手当は所得や子どもの人数によりますが、満額受給の場合、1回あたりの振込額は17万円前後になります。
しかし、こうした困窮するひとり親世帯への公的手当は、数ヶ月分がまとめて支給されるため、家計に激しい収入の波をもたらしています。低所得世帯の支出は、食費、光熱費、住居費などの固定費が大半です。乏しい家計だと、少額の臨時出費が後で現金不足に直結するので、母子世帯にとっては毎月支給の方が良いと思われます。児童扶養手当などの支給回数を増やさない理由には、自治体の事務量とコスト増につながることが考えられます。しかし、子どものいる低所得世帯への公的手当は、毎月支給にして収入の波をならし、家計破綻を減らすことが大切です。
(2015年12月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)
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