児童虐待―Ⅲ

虐待の要因

 全国児童相談所所長会は、児相を対象に2013年の虐待児の調査を実施しています。虐待の要因とみられる家庭の状況は、親が精神的に不安定など虐待者の心身の状態が32%で、経済的な困難が26%、育児疲れも15%に上っています。虐待した人は、過去に虐待を受けた経験が多かったことも報告されています。両親の不和や離婚、死別さらには、正規労働など不安定な雇用、貧困と不十分な教育、親の孤立も子どもへの虐待につながります。
 児相や自治体は、子どもが再び虐待を受けずに安心して暮らせることを目指しています。そのためには虐待した親への支援が必要となります。経済的に苦しければ生活保護などの制度を紹介し、親が精神的に不安定なら医療機関の受診を促します。一方で、子育て方法を学ぶプログラムも提供しています。親の支援を踏まえ、子供を家庭に戻すかどうかが判断されます。

(2015年10月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。