全国の児童相談所が、2020年度に対応した18歳未満の子どもへの虐待件数は、前年度より約1万1,000件増えて20万5,029件に上り、1990年度の統計開始以降、初めて20万件を超えました。
子どもの前で親が家族らに暴力をふるう面前DVを含めた心理的虐待が12万1,325件で最も多く、続いて身体的虐待が5万33件、ネグレクト(育児放棄)が3万1,420件、性的虐待が2,251件でした。都道府県別では、東京都は2万5,736件で最多で、2019年度に最多だった大阪府の2万4,633件を上回りました。
急増する虐待に対応するため、児相の専門職である児童福祉司は、今年度中に5,168人となる見込みで、初めて5,000人を超えます。しかし、増員を上回るペースで虐待の対応件数が伸びています。2020年度を見ると、児童福祉司は5年前の2015年度の2,934人と比べて6割増ですが、虐待件数は2倍に増えています。
(2021年8月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)