厚生労働省とこども家庭庁の調査によれば、全国の児童相談所が2023年度に児童虐待の相談を受けて対応した件数が、過去最多の22万5,509件に上っています。前年度比で1万666件(5.0%)増え、現段階で統計開始から33年連続増加しています。暴言などで心を傷つける心理的虐待が59.8%を占め、うち、子どもの前で家族に暴力を振るう面前DVが多くを占めています。
虐待相談の種別は、心理的虐待が13万4,948件で、うち面前DVが7万8,914件でした。他には、身体的虐待が5万1,623件(22.9%)、ネグレクト(育児放棄)が3万6,465件(16.2%)、性的虐待が2,473件(1.1%)となっています。相談経路は、警察が11万6,649件(51.7%)、近隣・知人が2万2,112件(9.8%)、家族・親戚が1万9,196件(8.5%)、学校が1万6,583件(7.4%)の順でした。最多が東京で1万9,488件、最少は鳥取で213件です。

(2025年3月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)