児童養護施設で育った子どもの進路

児童養護施設で育った子どもの進学を支援する取り組みが広がっています。児童養護施設は、児童福祉法に基づき、保護者がいなかったり、保護者から虐待されたりした概ね1~18歳の子どもが共同生活する施設です。施設から地域の学校などに通っています。厚生労働省の調査によれば、2019年3月末時点で全国に605か所あり、約2万4,910人が生活しています。
厚生労働省の調査によれば、2018年3月に高校を卒業した施設の子どもの大学・短大への進学率は16%と、高校生全体に比べて36ポイントも低くなっています。入学金や授業料に加え、高校卒業後は施設を退所するのが原則のため、家賃や生活費も自分で用意する必要があるといった経済的な問題が進学の壁となっています。しかし、採用条件に大卒を掲げる企業も多くなっており、親の支援が得られない子どもが安定した生活を得るには、大卒という学歴が重要になります。貧困の連鎖を断ち切るためにも、様々な形で教育支援を広げていく必要があります。

(2020年3月17日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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