入院保険金の急増

新型コロナウイルスの第6波による感染拡大を受け、生命保険会社に対する入院給付金の請求が急増しています。病気や怪我の治療で入院した患者に支払われる入院給付金は、生保が取り扱う医療保険に付く保障です。
入院給付金と銘打っていますが、実際に入院した患者からの請求は2割前後にとどまっています。残りは、コロナの陽性と判定されても、自宅やホテルでの療養を余儀なくされたみなし入院が占めています。医師に入院を勧められても、医療機関の逼迫で希望が叶わない人を実際に入院したとみなして保険金を支払う措置です。
第6波の中心であるオミクロン型は感染力が強い一方、重症化率は従来型より低い傾向にあることが分かっています。症状が軽く、数日で職場などに復帰できるような感染者でも給付を受けられます。季節性のインフルエンザでも支払いを受けられない契約者が、不公平感を強める可能性もあります。新型コロナの感染症法上の分類を、2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類へ下げることについては、未だ議論の余地が残されています。当面はみなし入院となる契約者への支払いは続くと思われます。

(2022年4月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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