公務員の転職希望

公務員の人材流出が増えています。大手転職サイトへの公務員の登録数は最高水準にあり、国家公務員の離職者は3年連続で増加しています。特に外資系やIT企業に転じる20代が目立っています。中央省庁では国会対応に伴う長時間労働などで、若手を中心に働く意欲が減退しています。若手の公務員離れが加速すれば、将来の行政機能の低下を招く恐れが出てきます。

人材大手エン・ジャパンの転職サイトへの国家公務員と地方公務員の登録者数は、2019年10~12月期は1万2,379人で、前年同期に比べて22%も増加しています。総務省の働き方改革チームが2018年にまとめたアンケートでも、モチベーション高く仕事ができているとの回答が、部長級以上で90%を超えていますが、係長級では54%にとどまっています。霞が関で働く国家公務員の残業時間は、月平均100時間と民間の14.6時間の約7倍に達しています。精神疾患による休業者の比率も3倍高くなっています。若手を中心に国会対応で長時間拘束されることや、電話対応などの雑務に時間を割かれることが長時間労働の原因となっています。

(2020年3月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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