公立学校教員の2025年度採用試験では、小学校の採用倍率が2.0倍となり、6年連続で過去最低を更新しています。中学や高校などを含めた公立学校全体でも2.9倍です。受験者の減少も深刻で、2025年度は約10万9,000人で、この10年で4割減っています。
文部科学省の調査によれば、2025年4月の始業日時点で、全国の公立学校計約3万2,000校に本来配置されるべき教員数は約84万人でした。これに対して不足数は計4,317人で、2021年の前回調査の2,558人から1.7倍となっています。教員の不足があった学校は計2,828校で、公立学校の8.8%を占めています。首都圏のある公立小学校では教員の3割が60歳代以上の退職教員です。
第2次ベビーブーム世代が学齢期を迎えた1980年代に大量採用された世代が退職時期を迎え、各教委が新規採用を拡大させました。若い世代が多くなり、産休や育休を取得する教員が増えています。少子化を見据えて、2000年頃になると正規教員の採用は抑制され、臨時講師などの非正規教員で不足を補う傾向が強まっています。
正規教員の採用を控え、非正規教員への依存を強めてきた歪みが、教員不足として表れています。教員不足で労働環境の改善が進まず、なり手が増えない悪循環が生じています。国は児童生徒あたりの教員数を増やし、働き方改革を進めるべきです。教員志望者向けの奨学金を充実させるなど、教職を選ぶ動機につながる多様な対策も必要です。

(2026年3月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)







