公立病院の実態―Ⅰ

公立病院とは、公的な病院のうち都道府県や市町村など地方自治体が開設した病院のことをいいます。不採算の救急や小児医療、災害対応などの役割があり、母体自治体が一定の経費を負担しています。第2次大戦後に民間病院より先に公立病院の整備が進みましたが、市町村立には小規模な病院が多くなっています。近年は病院の赤字拡大で、財政が圧迫される自治体が増え、収支改善が課題になっています。現在は独法化も含めて約900病院が存在し、日本全体の病院数の11%、ベッド数の14%を占めています。
2015年の新しい改革プランでは、公立病院の役割は①山間へき地など過疎地での一般医療、②救急・小児・周産期などの不採算部門、③がんセンターなど高度・先進医療の提供、④医師派遣の拠点の4つと示されています。

(2019年4月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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