共働きやひとり親家庭が直面する夏休みの壁を巡り、自治体が対策に奔走しています。学校給食がなくなり、日中に自宅以外で子供が過ごせる場所が少なくなっています。学童クラブでの昼食提供を拡大したり、公共施設の開放場所を増やしたり、地道な取り組みを進めています。
こども家庭庁が2024年度に実施した調査によれば、全国2万5千カ所の学童クラブのうち、長期休暇期間中の昼食提供があるのは43.0%でした。提供する学童クラブのうち、最多は事業所による手配は49.2%で、事業内部での調理は15.9%、保護者会などによる手配は4.9%と続いています。
保育教育分野のITサービスを提供する千の調査によれば、今年の夏休み期間中に子どもだけで留守番する予定がある家庭は全体の3割超を占めています。留守番時間は2時間未満が最多だったものの、5時間以上も27.5%を占めています。夏休み中の課題は、仕事との両立が18.8%、留守番中の安全確保が16.9%で上位を占めています。子どもの居場所は十分ではないため、自治体は事故対策を講じた上で、市民センターなどを活用し、自由に遊べる場所を保証すべきです。
(2025年8月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)