共働き世帯における家事負担

共働き世帯での家事・育児の負担は、依然女性に偏っています。総務省の社会生活基本調査によれば、2021年に6歳未満の子どもがいる共働き世帯の1日当たりの家事関連時間は、妻が6時間32分でした。1時間57分だった夫の3.4倍にのぼっています。2006年は、妻と夫はそれぞれ5時間19分、1時間1分でした。当時5.2倍あった格差は15年で縮まったとはいえ、米欧などと比べて女性への偏りが目立っています。
一因に男性の長時間労働があります。OECDの2021年の集計によると、日本の男性の勤務先などでの有償労働時間は、平均1日当たり452分と最も高い水準です。家事など無償労働時間は41分と最低水準でした。無償労働時間も女性が男性の5.5倍と、差はOECD内で最も高くなっています。
厚生労働省によれば、女性の第2子以降の出生割合は、夫の家事・育児時間が長いほど高くなっています。出生率の反転には社会全体で性別役割分担の意識を払拭する必要があります。

(2023年9月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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