プラスチック循環利用協会によれば、2023年の廃プラ総排出量(769万トン)の9割は有効利用しています。内訳は、燃やしてエネルギーとして使う熱回収が64%を占めています。熱回収は国際的にリサイクルとみなされていません。再生プラをつくるマテリアルリサイクルは22%で、原料はペットボトルや包装用フィルムが多くなっています。
環境省によれば、マテリアルリサイクル向けの廃プラの7割が輸出に回っています。国内ではリサイクル費用が高いためで、廃プラの活用は道半ばです。2023年に新品のプラは887万トン生産されたのに対し、原料として投入された再生プラは48万トンでした。新品に対して5%程度の量にとどまっています。
自動車部品に再生プラスチックを使う取り組みが動き出しています。環境省は補助金を出して、再生プラの素材を集めて自動車部品メーカーにまとめて卸す民間拠点を全国で整備します。EUが検討する再生プラ活用を増やす規制への対応も視野に、廃プラ削減を進めています。
(2025年10月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







