国の調査によると、妊娠が可能な年齢の女性のうち約15%は、BMIが25.0以上の肥満に分類されています。一方、18.5未満の痩せに属している女性も約20%に達しています。妊娠期間中に過栄養状態が続けば、赤ちゃんは4,000g以上の巨大児として、低栄養状態が続けば、2,500g未満の低出生体重児として生まれるリスクが高まります。太り過ぎと痩せ過ぎの問題は、どちらも同じぐらい見過ごせない状況です。
妊婦さんの過栄養の状態が続くと、赤ちゃんが巨大児として生まれるだけでなく、将来高血圧や糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高まってしまいます。また近年の研究では赤ちゃんが痩せて生まれた場合にも、肥満の赤ちゃんと同じように、生活習慣病の発症リスクが高まることが裏付けられています。赤ちゃんが痩せて生まれる、つまり子宮の中で栄養が少ない状態です。すると赤ちゃんの体は、低栄養の環境に適応するため、運ばれてきた貴重な栄養をできる限り脂肪として蓄えようとする体質になっています。
(Anetis 2019 Winter)
(吉村 やすのり)