非確定検査とは
母体血清マーカー検査や超音波検査を用いた胎児後頸部の浮腫(nuchal transluceney,NT)の測定や妊娠初期の超音波検査などによる胎児異常のスクリーニング検査は、非確定的出生前診断検査に位置づけられます。予定して実施する場合には、検査前に遺伝カウンセリングを十分に行うことが必要となります。NTの測定や出生前診断に関わる超音波検査に関しては、超音波医学に十分習熟した知識を有する専門職(超音波専門医など)が実施すべきです。クライエントには、その検査を受ける意義と検査の解釈などについて理解を得られるように説明し、検査を受けた後にどのような判断が求められ、その対応や方向性を選択することになるかをあらかじめ説明しておく必要があります。
何らかの異常が発見された際、引き続き確定診断を目的とする遺伝学的検査等へ進む場合には、再度遺伝カウンセリングが行われた上でインフォームドコンセントを得て、実施される過程を説明しておく必要があります。また、通常の妊婦健診にともなう超音波検査で、意図せず偶発的に異常が発見された場合にも、引き続き検査を受ける前に遺伝カウンセリングを十分に行うべきです。
(吉村 やすのり)