高齢妊娠への対応
高齢妊娠における遺伝カウンセリングでは、妊婦の年齢や既往歴、妊娠分娩歴などから、その年齢における染色体異常やそれ以外の妊娠合併症のリスク、予防や治療の可能性を説明すると同時に、クライエントが何を心配しているのかを聴取します。妊娠年齢とは関係なく、先天異常児は3~5%に存在すること、その多くは染色体異常でないことを説明します。高齢妊娠との関連の深い染色体異常である。21、18、13トリソミーなどについては、その臨床所見や予後についても説明します。そして児がこれらの疾患に罹患していた場合のカップルの考えなどをよく聴くことが大切です。その後検査方法の選択肢や確定的検査と非確定的検査の長所や短所を説明します。
21トリソミーについては、自然歴や養育している親の様子などの情報を提供し、障害の程度には個人差があることをよく説明します。これらは情報提供であり、カップルの状況や気持ちを理解することであり、そうした相互的な関係を経て、最終的にカップルがその後の対応を決めることになります。
(吉村 やすのり)