厚生労働省の人口動態統計によれば、少子化の逆風下でも子どもの出生数が減っていない地域があります。2024年と2019年の出生数を比較したところ、全国118市町村は増加または横ばいでした。大半は人口規模が小さい自治体で、結婚から出産、育児まで住民のニーズにきめ細かく目配りした支援が功を奏しています。出生数が減らなかった自治体の割合が最も高かったのは群馬県で、35市町村の2割にあたる7町村が増加か横ばいでした。次いで福井県、沖縄県の順でした。
マッチングアプリの利用、不妊治療の補助、出産祝い金など出産、子育てと切れ目ない支援で、若者のUターンや移住を呼び込み一定の出生数で踏みとどまれています。子育て世代の4割が地方移住に関心があるとしています。子育て世代の評価が人口変動の増減の明暗を分けています。

(2025年11月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





