厚生労働省は2013年の人口動態統計を発表した。それによれば合計特殊出生率は、1.43と前年に比べ0.2ポイント上昇したものの、出生数は過去最低の102万人となった。出生率は2005年の1.26を最低値として緩やかに上昇しているが、これは団塊の世代のジュニアである30代の女性の出産が、増えていることによる。
日本の人口はピークであった2008年より約80万人に減少している。このままで推移すれば、2048年に1億人を割り込み、2060年には8,674万人になる見込みである。今後もこの現象に歯止めはかかりそうにない。この人口自然減はある程度止むを得ないものの、少子化はどこかで断ち切らなければならない。そのためには仕事と子育てを両立できる環境を整えることが第一であり、若い男女の経済的不安を解消することが必須である。現在、子ども・子育て支援体制の強化が推進されており、政府も待機児童の解消と保育の質の向上に力を注いでいる。
(2014年6月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)