厚生労働省は、医療機関で受診した際にかかる初診料・再診料を2024年度から引き上げる予定です。医療従事者の賃上げや新型コロナウイルスの感染拡大の経験を踏まえた日常的な感染症対策の原資に充てるとしています。
初診料・再診料は、問診や血圧測定といった簡単な診察や処置など医療機関の基本的な診療行為への対価にあたります。医療機関の収入の柱の一つです。初診料は患者が初めて医療機関にかかった際に支払うもので、2回目以降は再診料となります。現在は初診料が2,880円、再診料が730円です。現在は3割負担の患者の場合、窓口の支払額が初診料で864円、再診料は219円かかります。
医療費は5割が保険料、4割が税金、1割が患者の支払う窓口負担でまかなわれています。窓口負担を引き上げれば、医療機関の収入は増えますが、個人負担は高まります。
(2024年1月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)