判事補の減少

裁判官は、司法試験の合格者の中でも特に優秀な人が選ばれるとされています。新人はまず判事補という裁判官になり、原則10年経験を積むと判事として1人で裁判をすることが認められます。裁判官の入り口ともいえるこの判事補が減り、定員を減らしているのに常に2割前後の欠員が続いています。判事補の数は、2013年12月時点で848人いましたが、昨年12月は2割少ない676人に減少しています。
今、判事補が減っているということは、数年後には現在約2千人いる判事も減り始める可能性があります。地方では裁判官不足のために地裁の203支部のうち、44支部に裁判官が常駐していません。
法律を学ぶ学生にとって、裁判官は遠い存在です。司法修習の前に弁護士事務所から内定をもらい、裁判所での研修や裁判官に対する関心を持たない人が増えています。また、判事補の欠員の大きな理由の一つが、転勤の多さです。
裁判所法は、判事補だけでなく、弁護士や検事の職を10年以上経験した人から判事に任命すると規定しています。応募者は、日弁連の推薦を受けて最高裁に申し込みます。最高裁の面接を経て内定までに半年以上かかります。しかも、最高裁の審査で不採用になることがあります。審査のリスクが大きいので応募者が減っています。

(2024年2月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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