様々な事情で結婚に踏み切れない若いカップルに、私たち夫婦の生き方、来し方が少しでもお役に立てれば幸いである。
昭和48年12月慶應義塾大学医学部5年生の時に、学生結婚をした。
爾来、40年が経過し、今年ルビー婚式を迎えたが、32年間は別居を通した。その間、私の勤務先は米国を含めいろいろと変わったが、妻は一貫して名古屋の藤田保健衛生大学に勤務していた。もともと妻は東京生まれであったが、私の生まれ故郷が岐阜であることから名古屋の勤務先を選んだといった経緯があった。しかし、私が名古屋に住んだ期間は、たったの3年8カ月であった。現在は、私が東京に住み、月に2,3度妻が上京してくることとなっている。
現在彼女は、藤田保健衛生大学医学部形成外科の教授をしている。そのため、お互い仕事を持っている都合上、致し方ないこととはいえ、別居生活は長期に及んでいる。妻の感想は、常に一緒に生活するよりも却ってお互いに干渉し合うことなく、快適とのことである。私も全く同感である。しかし、最近になって別居生活には辛さも感じるようにもなってきたが、この別居生活はもうしばらく続きそうである。現在妻は、私の父親と2人で私の故郷の岐阜に住んでくれており、私としては頭の下がる思いである。
2人の各時代時代における結婚生活についての思いをこれからシリーズでお届けしたいと思う。
Ⅱにつづく
(吉村 やすのり)