副業の解禁

 パーソナルキャリアの副業・フリーランス白書2025によれば、社員の副業を解禁している企業は約半数でした。都市部の大企業ほど比率が高く、地方の中小企業ほど少数でした。都市部の働き手は8割以上が地方企業での副業に関心を持っています。目的には収入増に限らず、社会貢献やスキル向上もあります。

 専門知識を持つ都市部の人材が、副業として地方の中小企業の業務を手掛ける動きが広がっています。人材サービスのパーソルキャリアでは、地方副業の仲介数が、2025年1~6月に前年同期比で2倍を超えています。働き手は収入以外にも地方創生にやりがいを見出しています。地方企業は、採用難や予算の面から専門人材の正規雇用が難しく、両者の間でニーズがマッチしています。

 副業は国も後押ししています。総務省の地域活性化起業人制度では、2024年度から副業型を新設しました。東京、大阪、名古屋の三大都市圏以外の自治体に、地方再生を目的に民間企業の社員が送られる仕組みです。既にNTTドコモや東京海上日動火災保険の社員らが、副業型でDXなどを担っています。

 厚生労働省の2024年の調査によれば、副業・兼業をしている労働者は僅か3%にとどまっています。政府の規制改革推進会議では、労働基準法が定める労働時間の通算をハードルとして指摘する声が挙がっています。2026年の関連法の改正を視野に検討が進んでいます。

(2025年10月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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