労働市場に参加する人が、年平均で初めて7000万人を超えそうな勢いです。女性や高齢者の労働参加が続いており、人口減少下でも働き手が増え続けており、パートなど短い時間で働く人が伸びています。社会保険料負担を避けるために働く時間を抑える年収の壁の見直しで、労働供給はさらに伸ばす余地が出てきています。

働く女性の増加が大きく、11月は3,228万人で、1年前より46万人増えています。45カ月連続で前半を上回っています。最低賃金の上昇で働きに出る人が増えたとみられます。長時間労働の是正など就労環境の改善も追い風となっています。労働市場に参加するシニアも増えています。65歳以上の労働人口は男女合計で961万人となり、1年前より15万人多く、1995年に445万人だった65歳以上の労働力人口は30年で2倍以上に膨らんでいます。

就労形態が多様化する中、1人当たりの労働時間は減っています。労働力調査によると、就業者の月平均就業時間は11月に145.6時間で、10年間で14時間ほど減っています。働き方改革の進展だけでなく、パートなど短時間で働く人の拡大も要因です。柔軟な働き方が広がることで働く女性や高齢者がさらに増える可能性があります。社会保障や税の壁の改善が議論される中、より長く働ける人が増えれば労働供給は拡大する余地があります。
(2025年12月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





