労働時間と女性正社員比率との関係

 朝日新聞の調査によれば、男性正社員の労働時間が長い職種ほど、女性正社員の割合は低い傾向がありました。就業者が最も多い一般事務職は、労働時間が約45時間で女性割合は48.8%と高くなっています。労働時間が約50時間の医師は、女性割合が24.9%で、約53時間と最も長いトラックドライバーなどの自動車運転従事者は、女性割合が2.8%と他の職種に比べて著しく低くなっています。

 総務省の労働力調査によれば、女性(15~64歳)の就業率は73.3%で、国際的にも高率ですが、非正規雇用者の割合は男性が17.3%なのに対し、女性は50.2%と高くなっています。また、女性の正社員の割合をみると、20代後半をピークに下がり続けるL事カーブを描くという特徴があります。

 日本生産性本部によれば、2023年の日本の就業1時間あたりの労働生産性は、OECD加盟国38カ国中29位です。ドイツの年間労働時間は1,343時間と加盟国の中で最も短く、労働生産性は日本よりも7割近く高くなっています。

 長時間労働が当たり前になっている日本では、育児と仕事の両立が難しいために、非正規雇用を選ぶ女性が多くなっています。長時間労働や硬直的な働き方は、女性活躍の最も大きな阻害要因となっています。

(2024年12月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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