新しい成長戦略に労働規制の緩和が盛り込まれた。政府は1,000万円以上の高収入の専門職を対象に残業ゼロにすることを決めた。これには賛否両論がある。働き手の創造性と高い生産性が発揮されることになり、労働時間と賃金との関係を断ち切る成果主義を導入すべきであるとする賛成の立場がある。一方、成果主義はかえって労働時間が長くなり、過労を招く恐れがあるとして反対の立場もある。
労働時間の柔軟な運用を探ることは大切である一方で労働時間の上限規制や休日の強制取得などの制度を義務化することも必要である。肝心なことは、仕事の効率化を図ることである。連合などは成果主義が過労を招くと反対の立場を取っているが、規制緩和の動きは止まりそうにない。
(2014年6月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)