血管の壁が厚くなったり、硬くなったりして働きが悪くなる動脈硬化は、加齢や高血圧、肥満、喫煙、糖尿病など様々な原因で悪化し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。動脈硬化は、①血管の内皮細胞の働きが悪くなる、②内膜や中膜が厚くなったり硬くなったりする、③内膜に悪玉コレステロールなどが固まったプラークができる、④プラークが破裂し、血管が詰まる、という経緯をたどります。現在、動脈硬化の進行を調べるには4種類あります。
FMD検査は①の初期変化をとらえます。②をみるCAVI検査は、血液の拍動が心臓から足首に伝わる速さで動脈の硬さを調べます。③は首の血管エコーで動脈壁の厚さをみるIMT検査です。④は腕と足の血圧比から血管の詰まり具合をみるABI検査や頭部や足の血管を撮影するMRA検査です。複数の検査を組み合わせることにより、動脈硬化がどこまで進んでいるかを知ることができます。FMD検査は2012年に保険適用となっています。現在は高血圧や糖尿病などの患者が対象です。
(2017年12月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)