今年4月に東北薬科大学が、仙台市に医学部を新設します。新設は1979年の琉球大から37年ぶりです。千葉県成田市でも来年の医学部開設が検討されています。地方を中心に医師不足が叫ばれる一方、人口減少が確実の中で、医師の過剰が心配されています。東北薬科大学の医学部の定員は100人で、東北医科薬科大学に名称を変えます。新設は東日本大震災からの復興支援策として、政府が特例的に認めたものです。
医学部の定員は政府が73年に全ての都道府県に医学部をつくると決めたことを受けて急増しました。その後医師が余ってしまうのではないかとの懸念から、医学部の新設は認められませんでした。ただ患者のたらい回し問題などの医療崩壊への批判が高まり、2008年度から既存医学部については定員が増員さています。医師数は現在31万人強で、増加傾向が続いています。
私たちが医学部卒業したころ、医学部定員は約3000人でした。生まれた子どもは200万人を超えていました。現在、生まれる子どもは100万人あまりですが、医学部定員は9000人を超えており、医師過剰時代が到来するのは必定です。