医学部人気が続いています。国公立だけでなく私立大の志願者も高止まりの傾向で、私大医学部全31校の医学科総定員は約3,700人に達しています。志願者は2年連続で延べ10万人を超えています。医学科のボーダー偏差値(合格可能性50%)は国公立大で2.5~10.0ポイント、私立大で2.5~17.5ポイントほど上昇しています。私立は大半が10ポイント超上がっています。人気の背景には、収入が会社員などより比較的高く、定年に縛られず長く働けれるといった経済的な理由も大きくなっています。
厚生労働省は、人口減もあって2029~2032年頃には医師の需給が均衡すると試算しています。厚生労働省の検討会では将来的に全体の定員を減らし、一部を医師が多い地域から少ない地域に移す案が有力になっています。定員の一部を地域枠に振り替える流れもあります。入学者は、卒業後過疎地や従事者の少ない診療科での勤務を義務付けることも検討されています。
医師を育てるには多額の費用がかかります。国立は一部を除き学費は6年間で計約350万円で、税金で支えています。私立の学費は平均で約3,300万円で、5千万円弱に達するところもありますが、私立では学費を下げる動きが目立つようになってきています。学費を値下げすることにより、優秀な学生を入学させようとする私立大学が増えてきています。
初期医療研修を終えると、高収入が期待される美容外科医にすぐになる直美が議論を呼んでいます。経済面や暮らす場所を重視する志望者も増え、地方での勤務や、外科や産婦人科など特定の診療科が避けられる傾向があります。医師の偏在が進めば、地方での救急医療などの担い手が足りなくなります。志望者に求められるのは、今も昔も社会貢献への強い使命感です。

(2026年2月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





