厚生労働省の調査によれば、週60時間以上働く勤務医は全体の4割を占めます。時間外労働は年約960時間以上で、原案通りでも勤務医の4割は、残業を減らすなど働き方を抜本的に見直す必要があります。総務省の調査で週60時間以上働いている人の割合を職業別にみると、医師は42%と全職種平均の14%を大幅に上回り、長時間労働が常態化しています。
その原因を医師に尋ねた調査によると、診断書やカルテなどの書類作成、救急や入院患者の緊急対応、患者・家族への説明対応が上位に並びます。最善の医療を提供するには、先端技術や知識の習得に努めなくてはならず、自己研鑽と仕事の境界があいまいなことも一因となっています。
(2019年2月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)