医師の給与の義務化

 厚生労働省は、病院や診療所に医師、看護師らの給与の開示を義務付ける議論を始めます。いまは職種別の給与総額や働く人数の報告は任意で、1人当たりの賃金水準を正確に把握できません。診療報酬の適正な配分や処遇改善につなげるのが目的です。

 日本医師会は反対していますが、厚生労働省は、本業の医業利益や材料費、給与費などを必須の報告事項と通知で定めています。職種別の給与・賞与や人数は任意のため、医師、看護師、理学療法士、事務職員らの1人当たり給与の分析は難しくなっています。医療や介護現場の処遇改善を進めるには、費用の使途の見える化を通じた透明性の向上が必要となります。

 日本看護協会の調査によれば、医療法人運営の病院で看護職員の賃金表をつくっているのは63.5%にとどまっています。そのうち公開している施設は26.1%に過ぎません。賃金表のある施設の方が離職率が低いとの傾向も出ています。

 厚生労働省がまとめる医療経済実態調査によれば、医療法人の一般病院では2024年度の病院長の給与は平均2,900万4,897円で、前年度から2.5%減少しています。医師は1,576万7,114円、看護職員は476万6,323円、事務職員は392万1,275円で、それぞれ1.1%減、2.3%減、1.7%減でした。

(2026年1月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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