医療介護サービス

 わが国の医療技術の進歩と医療保険制度の確立は、男女ともに着実な平均寿命の延びをもたらしています。特に、1950年前後では50歳代の前半であった女性の平均寿命は、今では87歳を超えています。しかしながら、他人の介護なく自立して生活できる健康寿命は、それより13年も短く、高齢女性のQOLの維持は、医学的にも社会的にもさらには医療経済的にも大きな問題となっています。
 女性の平均寿命と健康寿命の差は、8年の男性に比べ長く、その間の女性が寝たきりになることが多くなっています。介護サービス受給者の割合は、年齢とともに急速に高まり、80歳代半ばまでは約3割が要介護状態となっています。年齢階級別に介護サービスの受給者の割合も、高齢になるほど女性で高くなっています。平均閉経年齢50歳とすると、約35年の年月を中高年期に当たる更年期以降に過ごすことになり、中高年女性に対するヘルスケアの重要性は大きなものがあります。

(2016年11月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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