マイナ保険証の本格導入を前に、医療機関の廃業ラッシュが起きています。帝国データバンクによれば、2023年度の医療機関の休廃業・解散件数は全国で709件で、これまで最多だった2019年度の561件を上回っています。高齢化や後継者不足が大きな理由としたうえで、マイナ保険証や電子カルテなど、デジタル化への抵抗が廃業を後押しする要因となっています。
政府は、昨年4月に医療機関に対し、患者の保険資格をマイナ保険証によりオンラインで確認することを、原則義務化しています。今年4月には、医療機関が診療報酬を請求する際、医療費を計算したレセプトをオンラインで請求することも、原則義務化しました。システム整備には補助金が支給されますが、自己負担を強いられるケースも少なくありません。
(2024年12月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)