医療的ケア児の増加

 医療技術の進歩で救命が進み、医療的ケアが必要な子どもが増えています。医療的ケア児とは、日常生活で人工呼吸器や胃ろうなどからの栄養注入、たんの吸引といったケアが必要な子どものことをいいます。厚生労働省によると、2015年度時点で17,000人余と推計され、うち在宅で人工呼吸器を使う未成年は約3,000人と、10年で10倍に増加しています。
 障害の重い子が自宅に戻り、医師や看護師ら専門資格者がしてきたケアを担う家族は、大きな負担を抱えることになります。ヘルパーや訪問医、看護師、学校の先生、医療機器の点検業者らが、ケアのために訪れます。これらの日程調整は全て家族が行わなければなりません。家族で重い負担を抱え込み、社会から隔絶している人は少なくありません。国は、新年度から障害福祉サービスを提供する事業所に支払う報酬を加算するなど、支援拡充に動き出しています。

(2018年2月8日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

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