南極訪問客数の増加

 国際南極旅行業協会によれば、観光客数は1990年代には年間8千人ほどでしたが、2000年頃には1万人を超えました。2023年末~2024年頭のシーズンには上陸した人とクルーズだけの人で計約12万人に達しています。

 一番多いのは米国からで、豪州や中国、欧州などが続いています。割合はそれほど多くはありませんが、日本人も訪れています。2024~2025年シーズンの日本からの旅行者は約500人で、日本人が上陸する場合環境相による計画の確認が必要になります。

 こうした観光客の急増などが、南極を深刻な汚染にさらしています。チリやオランダなどの国際チームの発表によれば、約40年前に比べて重金属を含む微粒子の濃度が10倍以上になっていました。こうした微粒子は、船やヘリコプター、発電機、雪上車などに由来するとみられています。

 化石燃料などを燃やすことによって生じるすすが、雪を黒くして融解を早める効果は、南極半島や近くの島々で積雪量を毎夏最大23㎜減らすのに相当するとされています。観光客1人あたりでは、夏に溶ける雪を83tほど加速させる可能性があります。

(2025年10月2日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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