大学院に進学して修士課程(通常2年間)を修了して得られる学位を修士号、その後の博士課程(同3年間)を経て得る学位を博士号と呼びます。特定分野で専門的な研究に取り組み、成果を論文として執筆することが取得要件となります。博士には、優れた論文を提出した人に与えられる論文博士という仕組みもあります。英語では修士をMaster、博士はDoctorと呼びます。博士号は一般にDoctor of Philosophyに由来するPh.D.と表記されます。大学の学部卒業者である学士はBachelorと呼ばれます。
海外では学士に比べ修士や博士が就職などで有利です。特に博士は、専門知識や課題解決能力が評価され、高収入につながりやすくなっています。欧米では、博士課程の学費を免除したり、学生に給与を支給したりすることが珍しくありません。日本は経済的支援が手薄で就職にも苦労することが多いことから、博士課程への進学率は低下傾向が続いています。
(2019年12月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)