文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査によれば、日本は人口100万人当たりの博士号取得者数で、米英独韓4カ国を大きく下回っています。減少は、中国も加えた6カ国中日本だけです。2007年に276人いた米国での博士号取得者も、2017年は117人に減少しています。国別順位は21位です。
注目度の高い科学論文数の国際順位は、1990年代前半までは世界3位でしたが、2018年は10位に落ちています。平成の30年間に産業競争力も低落し、イノベーションの担い手を育てる仕組みの弱さが、産学の地盤沈下を招いています。大学教育が普及し、教育水準が高い、そんなニッポン像は幻想であり、先進国の中では低学歴国となりつつあります。
(2022年5月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)