卵子の老化シリーズⅢ

妊娠率に及ぼす卵子の加齢の影響をみるためには、提供卵子による妊娠率をみると明らかである。通常の自己卵を用いた体外受精では、35歳以降妊娠率が低下し、40歳を過ぎると急激に低下する。しかしながら、提供卵子を用いた体外受精では、年齢に関係なく高い妊娠率を維持している。

 一方、日本産科婦人科学会の2011年の体外受精成績によれば、流産率は40歳を越えると急激に増加し、45歳になると1/3の症例が流産することになる。これらのデータは卵の加齢が、妊娠率や流産率に大いなる影響を与えているかを示すデータである。卵子の加齢は、体外受精・胚移植などの現在の生殖医療をもってしても治療することはできないことを銘記すべきである。

(吉村 やすのり)

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