卵子の老化シリーズ-Ⅱ

精子と卵子の違い

精子は精巣の常に70~80日でできた新しい細胞であるのに対し、卵子は生まれる前にできた細胞である。生殖細胞である精子や卵子は、形成される過程で減数分裂という分裂をする。減数分裂は、体細胞分裂(2n →2n)と異なり、2n→nになる生殖細胞の成熟分裂である。2nという個体になるためには、卵子や精子がnとなり、受精することにより2nとなる。精子は減数分裂を70~80日間で終了し、常に新しくつくられている。

 一方、卵子は減数分裂を胎生3ヶ月頃より始めるが、出生する頃に一度休止期に入る。そして休止していた卵子が排卵の時に減数分裂を再開し、精子が侵入する、つまり受精することにより終了する。つまり卵子は生まれる前にできた細胞であり、減数分裂の過程も精子と比べ極めて長い。そのため、卵子はこの長い過程で様々な障害を受けやすいことになる。つまり20歳の女性の卵子は20年たった細胞である。

(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。