現在、健康な女性を対象に卵子凍結が広く実施されるようになっている。がん治療などを受ける患者の卵子凍結、いわゆる“医学的適応による凍結”と、健康な女性が将来のために卵子凍結しておく“社会的適応による凍結”とは意味合いは全く異なる。社会的な適応は、高度の医療技術を使用してはいるが、医療とは言えず全く推奨できるものではない。しかし、現実に多くのクリニックで実施されている以上、その拡大に歯止めをかけ、クライエントへの警鐘を鳴らすことも大切である。
今回日本生殖医学会では、卵子凍結に関する指針と実施すべき医療施設の施設基準を策定した。医学的適応も含まれることから、施設基準は厳しいものとなった。
(2013年11月22日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)