厚生年金の加入期間の見直し

厚生労働省は、会社員らが入る厚生年金で、一定額以上の収入などがある場合、70歳以上も加入して保険料の支払いを義務付けようとしています。現在は70歳未満としている保険料の納付期間が長くなるため、受給できる年金額は増えることになります。健康寿命は延び続けており、将来に備えて長い期間働く高齢者が増えると思われます。現行制度では、会社員の夫と専業主婦のモデル世帯では、夫が65歳まで働いて夫婦2人が65歳から年金を受け取る場合で月22.8万円もらえます。これに対し、夫が70歳まで平均的な賃金で保険料を納付し続けると、70歳以降の年金額は月23.6万円と月額8千円増えます。75歳まで加入した場合の年金額は、さらに数千円が上乗せされると見込まれます。
総務省の2018年の労働力調査によれば、70~74歳の役員を除いた雇用者は129万人おり、75歳以上も53万人います。仕事をしている高齢者の約4割が、働けるうちはいつまでも働きたいと答えています。長生きに備えて、健康のうちは一定時間以上働く高齢者とっては、加入期間の延長によるメリットは大きくなります。

(2019年4月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。